[ Stig Lindberg ]
1916年、スティグ・リンドベリはウメオ(スウェーデン北部、ヴェステルボッテン県)にて5人兄弟の末っ子として生まれました。

スティグ本人が語るところによると、家庭は市民的で、その上当時の不安定な世界情勢と不景気にひどく影響されていたという。そのためもあり、スティグ少年が高校卒業資格を得ることは叶わなかった、一家にその費用はなかったのである。しかしスティグは1935年に工芸学校(後のコンストファック国立美術工芸デザイン大学)に入学する。これまでにも創作活動をしていましたが、この工芸学校を卒業してからが本格的に、作家として活動をスタートするのです。。
1937年にGustavsbergに入社して依頼、ヴィルヘルム・コーゲの元で学び、ベルント・フリーベリなどすぐれた先輩、同僚と数々のすばらしい作品を生み出していくのです。




[ エピソード ]
1937年の夏 スティグ・リンドベリが20歳の頃、Gustavsberg(グスタフスベルグ)の工場長イャルマル・オルソンに直談判します。「僕、ここで働こうと思っているんです!」と。工場長が「不景気だし工場にもそんなに仕事がナイ」と断ると、「僕を雇い入れれば、工場の仕事は増えるようになる!」と言い募ったそうです。工場長は何かを感じこのやせ細った青年を時の巨匠“ヴィルヘルム・コーゲの元に彼を送りこんだのです。その後のスティグの活躍は周知の通りでコーゲも彼の並みはずれた才能を見抜いていたそうです。






リンドベリがデザインした包装紙
[ スティグ・リンドベリと日本 ]
1959年、スウェーデンのデザインを広めるべく日本を訪れ、ラジオやTV番組に出演し、数々のインタビューや講演活動を行いました。彼は日本社会に魅了されたと同時にあまりの歓待ぶりに混乱、戸惑ったと後に語っています。そして日本の伝統文化を学ぶために陶磁器産業の中心であった名古屋の瀬戸地方や信楽を訪問し日本の陶磁器を研究したと言います。また彼の滞在中には西武百貨店において「リンドバーグ作品展」と題された展覧会を開催しています。
その同時期に日本を代表するデザイナー“森正洋”とも交流を深めており、森先生がスウェーデンを訪れた際には、とても手厚くもてなしてくれたと森先生も語っています。日本と北欧を結ぶパイプ役、現在の日本での北欧ブームから定着にいたる流れの中には常にスティグ・リンドベリがいたと言っても過言ではありません。


[ 参考文献 ]
スティグ・リンドベリ作品集、Tusenkonstnaren、Swedish Artistand Designer、森正洋作品集。



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